工事完了報告
専修寺御廟拝堂及唐門保存修理工事完成に伴う感謝の文面
日本土建株式会社 建築部 工事課 西原 健一
本工事は、安政5年(1558年)に建設された歴史的な建造物であると共に、本体である御廟拝堂の背面には、親鸞聖人のお墓とそれをとり囲むように専修寺歴代住職のお墓があり、重要度の高い建物でありました。
私は、今回の文化財としての歴史的建造物(伝統工法)に携わらせて頂いたことに深く感謝致します。今回の保存修理に当たった建物は、工事期間が2010年6月から1年と6ヵ月余りの長丁場ではありましたが、無事に無事故、無災害で工事を完成させることができました。これもひとえに、宗務院の方々、文化財建造物保存技術協会の設計管理者並びに、協力業者の方々のお陰でございます。この場をおかりしまして御礼を申し上げます。同時に開山聖人750回遠忌報恩大法会を無事にお迎えできることに感謝致します。
工事を進めるに於いて、当時の歴史的な匠の技術を学ぶことができ、真宗を開かれた開山聖人が築かれた歴史を体感させて頂くことができました。今回の工事で培った技術を忘れることなく、技術の伝承を計らせて頂きます。
本当に有り難うございました。合掌
高田本山御対面所・大玄関耐震補強工事にあたって
株式会社 鴻池組 角 紀章
本工事は、御対面所と大玄関、そして周辺建物とをつなぐ渡り廊下の工事です。木造の歴史的な建造物の修理を行うため、古い木材を慎重に扱い、建物の傾斜や屋根のラインを創建当時の美しい姿に戻すことが要求されましたので、文化財の修理と同様の技術を駆使して施工いたしました。また、耐震補強壁や制震装置を出来るだけ見えない箇所に取付け、建物の本来の姿を維持しながら耐震性を向上させました。
仮設屋根を架けずに屋根の解体を行う工事のため、工事中の降雨の際には、木部材や襖壁の絵画を損傷させないよう、対策に苦慮いたしました。
工事の範囲が広いため、立ち入り禁止箇所をいくつも設けたり、迂回路を通行して頂いたりと、本山職員の皆様ならびに関係者の方々にご迷惑をおかけしましたが、多大なご理解を頂きまして、無事に工事を完成させることができました。本当にありがとうございました。
高田会館ホールの建設工事にあたって
株式会社 竹中工務店 西森 康之
今回の建築作品は寺社建築建物を本来の木造ではなく、広い豊かな内部空間を演出することが必要とされていたため、鉄骨造で計画しました。屋根は金属板葺きで伝統建築の職人技術を要し、妻部分の箕甲・隅棟部分の蛤といったところでは、慎重に時間を掛けて屋根の美しいラインを完成させることに成功しました。内部においては天井化粧梁を始めふんだんに木材を使用していますが、納め方を設計者と何度も協議し施工を進めていきました。施工条件としての建物は鐘楼・進納所・青少年会館・蓮池に囲まれており、非常に狭いスペースの中で工事導線に苦慮しました。また基礎工事においても、蓮池の水が基礎掘削部分に侵入し、その止水対策に苦労を強いられました。
しかしながら、関係者の方々の多大なご協力のお陰をもちまして、立派なホールが予定通り無事竣工できましたことに工事関係者一同、感謝をいたしております。