撮影:星野佑佳
国宝
御影堂
みえいどう
宗祖親鸞聖人の木像を中央須弥壇上に安置し、歴代上人の画像を両脇壇および両余間に敬置するお堂となっております。 畳七百八十枚が敷かれており、全国の国宝木造建築の中でも五番目の巨大な堂です。
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建築情報:間口 42.72m 奥行33.50m 一重(単層)入母屋造 向拝三間付 本瓦葺
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- 御影堂 旧獅子口
<棟の両端に置く瓦> - 御影堂の大棟に建立時に据えられていた獅子口の一部。
御影堂の建立年時を明らかにする「寛文7年卯月吉日」のヘラ書が記されています。建立当時の姿を伝える重要な資料です。
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撮影:星野佑佳
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- 御影堂の歴史
- 正保二年(1645)の大火による伽藍焼失後、津藩から寄進せられた新境内地に建造されましたが、このときの住持堯秀上人はお堂を東面させようとしたのに対して、門信徒らが南面を主張し、現在見るように南面して建てられました。
建立は寛文六年(1666)に上棟、延宝七年(1679)に落慶供養法要が行われました。
その際読み上げられた願文が現存しています。
棟梁は江戸坂本三左衛門、尾張長兵衛であったと伝えられていますが、現在信頼できる史料を欠いております。
しかし、権大工と伝える森万右衛門は一身田の住人であり、こののち長野善光寺本堂造営にあたって、幕府作事方の一員として働いたと言う事や、瓦職人が残した獅子口のヘラ書銘によって、坂井孫右衛門という者であったことが確認されています。
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- 建造物としての御影堂
- 建築様式は純和様であって、質素ではありますが落ち着いた外観を醸し出しております。
妻飾りは標準的な二重虹梁組みで、垂れ下がっている懸魚も典型的な三つ花懸魚で、手堅い細工が見事な出来栄えです。
妻廻り全体を銅板張りとして、破風板に金色に輝く五七桐紋の金具を貼りつけ、落ち着いた重厚感を感じます。
軒丸瓦の向拝を身舎に繋ぐ虹梁の上に笈形のついた太瓶束をのせ、その上から身舎へ海老虹梁で繋ぐという架構は、江戸幕府御用大工が好んで用いた架構でした。
これらの手法により、このお堂の棟梁と江戸幕府との関係が推測されます。
内部の間取りは真宗寺院としてほぼ通規ですが、本願寺系の本堂と異なる点は、大間が横長になっていることと、両余間の床が奥寄りのところで一段高くなっていることで、これらが各末寺に影響を与えたようで、この後の高田派寺院建築の特徴となりました。
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撮影:星野佑佳