令和元年度 国庫補助金 重文・専修寺聖教美術工芸品保存修理抜本強化事業概要
【事業目的】
専修寺聖教は鎌倉時代中期から南北朝時代の冊子装の写本で、表紙や本紙に虫損や長年の使用によるシミ・虫損・糊離れによる綴じ目の分離補修と欠損部を補修して当初の状態に復元する。また、修理後の冊子は展示会や関連の歴史講演会などにより文化財の保護活動に役立てる。
【全体の事業期間】
2009年度から2023年度までの15箇年
【事業体制】
補助事業者 専修寺(三重県津市)
請負事業者 松鶴堂
【本年度総事業費および補助金額・補助率】
総事業費 3, 504, 510
三重県補助金 350, 000
津市補助金 175, 000
補助事業者負担金 1, 052, 510
国庫補助金 1, 927, 000 補助率 55%
【本年度修理内容の概要】
修理対象の『唯信鈔文意』・『一念多念文意』・『唯信鈔託宣記』・『善性本御消息集』・『浄土真宗聞書』・『疏頌抄出』・『後世後聞書』冊子七冊は、本年度に冊子を解体して修理前プレスとクリーニングを実施した(但し、『一念多念文意』は、令和2年度に保存帙箱のみ作成)。令和2年度には虫損と欠損部を補修して当初の状態に復元する予定。
【活用の予定】
2019年9月には、重文専修寺聖教の修理と保存に関する歴史講演会を開催。なお、例年開催の専修寺宝物館での展示公開は、老朽化による建家解体のため、本年8月から新宝物館開館の2023年5月まで閉鎖となり実施しない。
(修理中)
『後世語聞書』紙本・袋綴装 第1頁・奥書頁
(活用)
講演会「唯信鈔文意と唯信鈔」
制作:専修寺宝物館
本事業は、文化庁地域活性化のための特色ある文化財(美術工芸品)調査・活用事業国庫補助金の交付を受けて実施されています。